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とはいえ、文系として経済学を始めた多くの人々には、どのように一般均衡理論に必要な数学を勉強すればいいのか、さらには一般均衡理論に必要な数学とはどのようなものかさえもわからない。〜〜本書はそのような人々に向けて書かれた一般均衡理論の入門書である。経済学部向けの数学の入門書とは言い難いので、数学をあまり勉強したことがない人には難しいかも知れない。しかし、論理と集合からきっちりと書かれているので、原理的には誰でも読み通すことは可能である。

　内容については、古典的な経済学の数学的手法である微分・最適化(静学)の基本〜〜について詳しく論じてあり、これを読み通すことができれば、多くの経済学書、論文を読みこなす力はつくと思われる。逆に経済理論をまともに学ぼうと思えば、本書程度の数学は必要だという事を知っておくことも経済学を学ぶ上では重要だろう。

難を言うとすれば、位相についての記述がややすっきりしていないという感じを受けるところである。それから、全〜〜体的にもう少し読みやすくできなかったのだろうかと思うところである。見た感じは相当ややこしそうに見えるので、もう少し数学を学ぶ動機付けがほしいところだが、書物の分量を考えると、どの数学書を見ていてもそれは難しそうなので、望まないようにしよう。