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さて、本書で終始展開される問題意識は、サービス品質の評価に関する問題であるが、この評価過程は大きく２つあり、購買前のサービス品質評価と購買後のサービス品質評価を識別している。本書はまず、サービス製品の『サービス品質』を、消費者はどのように評価するのか、という、購買後のサービス品質評価について議論する。ここでは、この問題に先立ち、企業のマーケティング戦略に影響を与えると思われるサービス品質の測定と尺度開発の問題が議論され、その後、上記問題意識について、顧客満足の成果変数を導入し、共分散構造分析を用いて『サービス品質』の評価構造を構造的に理解しようとする。また、そうした『サービス品質』が及ぼす効果についても、再購買意図の概念が設定され、それへの影響プロセスが構造化され、同じく上記の分析手法を用いて検証する。

次に、購買前のサービス品質評価について、知覚リスクの問題を中心的に扱う。すなわち、サービス製品に伴う知覚リスクに対して消費者はどのように対応しているのか、特に外部情報の探索問題を取り上げて、知覚リスク形成との関連を議論する。詳細は本書を参照されたい。