ビジネス・経済誌専門店

しかし、この「制約理論（TOC）のインプリメンテーション」は、例えば各インプリメンテーションプロセスにおける使用資料や評価尺度等、実際にTOCをインプリメンテーションする際の手順や留意点が具体的かつ明解に説明されており、TOC導入を検討する企業や担当者にとって、これまでにない有効なガイドブックであると感じました。

私自身も現在自社との環境と照らし合わせてTOCをどのように導入するのかを検討する材料として有効活用しています。
TOC導入しようとする経営者必読の書
著者である、マーク・ウォッペル氏は、TOCインプリメンターとして、数多くの成功を収めた変革者であり、TOCの生みの親であるゴールドラット氏からもお墨付きを貰っている人物です。本の内容は、TOCとは？と言う基本的な考え方から、実際に導入し成功をする為にはどうすれば良いか、段階的にステップアップされていて、非常に分かり易い構成になっている。

実際の製造現場で起こりうる出来事や、また管理部門で多く見受けられる古い慣習など、実例を用いその解決方法をうまく導き出している。また、プロジェクトの進行状況を段階的に評価できるよう、図や著者がコンサルティングした時に使ったグラフなど、参考資料が多く含まれている。それらの資料を段階的にベンチマークする事で、プロジェクトが正しく実行されているかなど、業績評価尺度としても使用できる。

THE　GOALを読み、実際に導入を考えている経営者にとって、この本はTOC導入のバイブルとして役に立つことは間違いない。
制約理論導入の手引きとして最適
「ザ・ゴール」の発売をきっかけに日本でも「制約理論（ＴＯＣ）」が知られるようになってきた。
理論そのものは、当たり前で比較的単純である。しかし、製造現場、それを支える管理方法
の現状と比べると基本的に異なる事があまりにも多いため、「制約理論」を導入しようとすると、

どうしたらいいのか不安が先行する。本書には、ウオッペルが１０年以上にわたるＴＯＣ導入の経験を
元にした、実践の場ですぐに使える具体的な指針がふんだんに盛り込まれている。経験しないと
わからないような「泥臭いこと」や組織をいかに動かすかなどの「戦術」、そしてまた、

失敗の原因を見つけるのは、趣味が悪い事かのように思っている輩がおおすぎる。経営学は、企業の管理職に使ってもらうのが一番のはずなのに、彼らの興味に応えないのは経営学者の怠慢である。

文句はその辺までとして、今までなされてきた異常な意思決定のオーソドックスな理論は、殆ど網羅されている。また、ケースを使わないで、学習者が意識しやすいようにかなり工夫されている。あの点は見習うべき。